公共料金とは公共機関が行う公益事業のサービス利用料などで、主に以下の種類があります。
簡単にまとめると、"公的機関が料金水準の決定や改定に直接関わっているもの"が公共料金の定義です。
スマホなどの通信代は本来は公共料金と呼べるか微妙なラインでしたが、政府が通信会社に料金引き下げの方針を求めたことで公共性の要素が強まりました。
昨今のインフレで特に大きな影響を受けているのが電気代・ガス代を中心にした光熱費です。
ファミリー層を中心に冬だと電気・ガス・水道の光熱費が数年前に比べて数万円高くなっている世帯が多いのではないでしょうか?
一方で学費は国からの補助によって負担が軽減されていて、自賠責保険も人身事故の減少に伴って保険料が減額傾向にあります。
たばこについては増税による値上げが続いていて、現在も新たな増税案について議論されています。
公共料金の高騰で特に気になる人が多いのが、電気代とガス代の高騰が今後も続くのかと値上げの見通しです。
この部分について詳しく解説いたします。
電気代とガス代が高騰しているのは以下の理由があります。
原油と天然ガスの価格が高騰した最大の理由は、世界屈指の産油国が大規模な戦争を始めたことによる世界的な原油流通量の変化と円安による影響の2種類です。
戦争が続いているものの、原油価格は2024年前半から2024年末に向けて値下げ傾向が続く見通しが出ていて、円安も対米ドルで1ドル150円くらいを上限に頭打ちの動きを見せています。
このほか、東日本大震災の原発事故を受けて原発の稼働に慎重な動きが強まり、電気代は直近10年以上にわたって値上げ傾向が続いていました。
災害に備えた安全対策のほか、戦争やテロへの危機感が強まっているため、すぐに原発稼働再開ムードが強まるのは考えにくいです。
最後に紹介するのが、相次ぐ料金改定による値上げで電力会社などの利益が高まっていることです。
各地の電力会社が電気料金の見直しを理由に過去最高益を出しています。
賃金上昇ムードなども後押ししているため、仮に原油価格と為替レートが2010年代の水準に戻っても当時の単価まで値下げする可能性は低いでしょう。
公共料金が上がり続けている背景については以下の記事で深堀りしていますので、併せてご確認ください。
原油価格の下落や為替レートが現在より円高になっていく可能性を考慮すれば、近い将来に電気代が安くなると思うかもしれません。
しかし、2024年1~3月に多くの電力会社が値上げをしていて、2024年5月に更なる値上げをする見通しです。
ガス代も同様に値上げ傾向が続いていて、2025年くらいまでは電気・ガス料金の値上げが続くと見られています。
この大きな要因が政府による「激変緩和措置」の終了です。
2022年のロシアによるウクライナ侵攻でロシア産の原油と天然ガスの禁輸措置がとられてから、原油価格と天然ガス価格は2倍以上に高騰しました。
政府による激変緩和措置がなければ、電気代・ガス代それぞれが従来の2倍以上に値上げされていた可能性もあり、光熱費が高騰した家庭でも従来の4~5割増しで済んでいるのは激変緩和措置のおかげです。
この激変緩和措置が縮小・打ち切りされる予定があることから、今後も電気・ガスは原油価格・為替レートの動向が良い方向に動いたとしても値上げ傾向が続くと見られています。
平均的な所得の家庭が光熱費だけで数万円も高騰している厳しい状況ですが、今後はさらに厳しくなる恐れがあるので収入を増やすか支出を減らすか何かしらの対策が必要です。